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ワインと酸化防止剤

【ワインを飲むと頭が痛くなる??】

お客様から「酸化防止剤入りのワインを飲むと頭が痛くなる」という話をときどき伺います。美味しいワインを前にしても頭痛のことがよぎってしまうと楽しく飲めず辛いですね。

なぜそういった症状が起きてしまうのでしょうか。


体質やその日のコンディションが影響していることは明らかですが、要因の一つとしてあげられる物質に「亜硫酸」があります。酸化防止剤とか、亜硫酸塩とか、二酸化硫黄とか、ピロ亜硫酸カリウムとも呼ばれるます。化学式はSO2です。

亜硫酸がワインに入り込む原因には2パターンあります。
一つは醸造途中に添加するもの。もう一つは、ブドウが発酵してワインになる過程において自然に生成されるものがあります。
そのため「無添加」はありますが「含有量ゼロ」のワインは存在しません。



◇ワインへの亜硫酸の良い効果

・酸化防止作用
・殺菌作用。有害な菌の繁殖を抑えるために、ワイン造り以外でも古くからの用途です
・できあがったワインを澄ますための「清澄」作業が容易になる
・黒ブドウの果皮から色素を抽出し安定化を図る
・アセトアルデヒドが結合し酸化臭を抑えてくれる。

などがあげられます。



◇体に及ぼす悪影響

亜硫酸は食品を美しく見せるために漂白剤として使用されることがあります。高濃度であれば、もちろん人体に有害な添加物であることには間違いありません。

ワインや食品の亜硫酸含有量を見てみましょう。

かんぴょう 5,000mg / kg
ドライフルーツ 2,000mg /kg
干しブドウ 1,500mg / kg
乾燥じゃがいも、ゼラチン 500mg / kg
辛口赤ワイン 150mg / L
辛口白・ロゼワイン 200mg / L
中甘口ワイン 300mg / L
甘口ワイン 350mg / L
極甘口ワイン 400mg / L

※ワインについてはEU規定の最大含有量




この数値をワインの本数に換算して体への影響を解くと、

「甘口ワインを毎日1本づつ80年間飲み続けても影響がない、体重50㎏の人が毎日9リットルのワインを90日間飲み続けたとしても慢性毒性はない」

と言われています。

結論から簡単に言うと『常識的な飲み方をしている限り、酸化防止剤入りのワインは体に害はない』といえます。


※アレルギーの方や喘息患者は注意が必要ですので医師の診断や検査をお薦めします。


◇なるべく体調を壊さずにワインを楽しむ方法
「害はないと言われても、やっぱり頭痛がしてしまう。体調が悪くなる。」「なるべく体調を壊さずにワインを楽しみたい」という方は、ワインを種類や醸造タイプからセレクトすると良いでしょう。

・亜硫酸の含有量が少ない「辛口」の赤ワインを選ぶ
・有機栽培で育てられたオーガニックワインを選ぶ
・添加物の少ないワインを選ぶ
などがお薦めです。

お店でオーガニックワインを選ぶ時は、ラベルにorganic やbiologique の文字がデザインされている商品を探してみてください。
また、各国で定められたガイドラインをクリアしたワインには認証機関のマークがラベルにプリントされています。

例えば、
・AB    :フランス政府が有機農産物とした認証
・AIAB   :イタリアのオーガニック認証
・DEMETER :ドイツのオーガニック認証



◇最後に
添加物の少ないワインには、多くの科学的工程を経て造られたワインもあります。
誤った思い込みのために本来のワインが持つ味わいを否定したり、ヴィンテージワインを飲む機会やワイン会に参加する機会をあきらめてしまうのは残念なことです。
ご自身の体をよく知ったうえで、食生活のスタイルを見つけ、楽しいワインライフをお過ごしください。

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