その3
おじいさまの広い屋敷にただひとり残されたウインカーの側には、今ではいつでもマルトがいます。
もう、ひとりきりではありません。
そして、間もなくウインカーは父親になろうとしていました。
子の誕生を心待ちにしながら、ウインカーは、息子同然に自分を愛してくれたマリー伯母さんとアルフレッド伯父さんに、自然と感謝の気持ちを伝えたくてたまらなくなりました。
もう、ひとりきりではありません。
そして、間もなくウインカーは父親になろうとしていました。
子の誕生を心待ちにしながら、ウインカーは、息子同然に自分を愛してくれたマリー伯母さんとアルフレッド伯父さんに、自然と感謝の気持ちを伝えたくてたまらなくなりました。
けれど、格式ばってお礼を言うのも、気恥ずかしいものです。何かよい方法はないものでしょうか。
すると、その年は伯母夫婦の結婚30年目にあたりました。ウインカーとマルトは相談して、記念日に素敵なワインをプレゼントしようと思いました。
プレゼントを渡しながらなら、自分の想いがふたりに伝えられるような気がしました。
すると、その年は伯母夫婦の結婚30年目にあたりました。ウインカーとマルトは相談して、記念日に素敵なワインをプレゼントしようと思いました。
プレゼントを渡しながらなら、自分の想いがふたりに伝えられるような気がしました。
屋敷のセラーには色々なワインがあります。ラベルの綺麗なもの、伯母さんたちの思い出の地のもの、それとも・・・。
どんなワインにしたらいいでしょうか。
ウインカーとマルトはふたりでセラーをうろうろと歩いて、パーティにふさわしいワインを熱心に探しましたが、自分の気持ちを託せると思うものはなかなか見つかりません。
身重のマルトを気遣い、そろそろ休ませようとウインカーが思った時、ふいに木箱を目にしました。
どんなワインにしたらいいでしょうか。
ウインカーとマルトはふたりでセラーをうろうろと歩いて、パーティにふさわしいワインを熱心に探しましたが、自分の気持ちを託せると思うものはなかなか見つかりません。
身重のマルトを気遣い、そろそろ休ませようとウインカーが思った時、ふいに木箱を目にしました。
「いいわね。この年は出来がよかったから、おいしいはずよ。
それに、この銘柄は定評があるから、おそらく、なかなか手に入らないと思うわ。」
ふたりはこのワインを贈ることに決めました。
マルトが綺麗なリボンを取り寄せて、丁寧にラッピングをしました。
ふたりはこのワインを贈ることに決めました。
マルトが綺麗なリボンを取り寄せて、丁寧にラッピングをしました。