感想
1993年 ニュイサンジョルジュ ポワゼ(フランス )の感想
ご購入者様の許可を頂いた上で掲載させていただいております。
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ハピネス指数 ★★★★★★★
うちには魔法が解けないので猫の形のままの王子様がいます。10歳になりました。
もし、子供だったなら、小学校3年生です。
そう考えるとその「時の流れ」に感慨深いものがあります。
彼が私のところへやってきたのは、私がまだ就職したばかりの春でした。
それから10年が過ぎました。
20代から30代にかけてのこの10年を思い起こせば、気が遠くなりそうです。
色々なことがありました。
彼は私がひとりで泣いていても、放っておいてほしい時は、椅子の下にこそっといたし、逆に淋しい時は側にいました。
私が何も食べられないまま、3日間も眠れない時間をやりすごした際、彼もまた、何も食べずに一睡もせぬまま、黙って側にいました。
さて、王子様もそんな調子でしたが、友人たちも同じでした。
一緒に笑ったり泣いたりしながら、同じ時間を共有してきたのです。
それは、今も変わりません。
そこで、王子様のお誕生会を開くことにしました。
10年目の記念すべき日も、彼女達と過ごしたかったのです。
皆を各国のお姫さまにしたてて、招待状を送りました。
皆のために、年号ワインも奮発して、赤と白を両方。
でも、紅白並べて、この10年を味わいたかったのは、他の誰でもない私でした。
ワインのための料理も考え、テーブルも新しく買いました。
当日は、従妹が料理を手伝いに来てくれました。
日が落ちる頃、ワインが届きました。
そして、お姫さまたちが、プレゼントを抱えて次々に戸を叩きます。
主人も仕事を切り上げて、早々に帰ってきました。
ワインの入った箱には、王子様の10歳を祝うメッセージが刻まれたリボンがかかっています。
皆ではしゃぎながら、箱を開けました。
パーティの始まりです。
私は赤の方が好みでしたが、友人は白の方が好きだと言いました。
結局、他のワインもあけてしまい、かなり酔いました。
好みもばらばらな私達ですが、想いはひとつだったことでしょう。
「この10年、ありがとう。これからもよろしく」という
私の気持ちは、確かに伝わったように思います。
幸せでした。
ところで、肝心の王子様はどうだったのでしょうね?
※『幸せの度合い』を示す”ハピネス指数”の最大値は★★★★★★★【7ハピネス】です。
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